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第3回ISVセミナーを開催しました!

2月9日18:30より、富山市民プラザにて3回目のISVセミナーを開催しました。富山と言えば、都市デザインの先進地(聖地)。到着してまずは広場ニストの山下裕子さんにご案内いただき軽くまち歩き。市役所展望台から市内を見渡し、立山へご挨拶。この間わずか15分くらいでしたが、山下さんのおかげで市役所のキーパーソンにたくさんお会いできました。中でも驚いたのは、富山市にはすでにISVがいらっしゃったこと。橋梁がご専門の植野芳彦建設技術統括監は、まさにインハウスのスーパーバイザーそのもの!!また、そのお人柄に我々三人は一瞬で感服。今後の連携を誓い合い、いざ会場へ。奇跡的に晴れたものの、まだまだ豪雪の影響が残る中、富山市はじめ近隣市から自治体関係者、民間企業、大学研究者、そして市民や議員の方にいたるまでお集まりいただき、会場は満員御礼。山本から日本版シティマネージャー制度、高尾から長崎市景観専門監、尾崎から松山アーバンデザインセンター(UDCM)の取組み報告を行い、フロアの皆様との意見交換へ。東京、大阪と大都市でのセミナー開催が続き、今回は初の地方都市開催でしたが、会場からのご意見・ご質問が大都市とは全く異なるものとなりました。ISVだけでなく、UDCMの仕組みや、都市空間のデザインの質を上げるための具体的な体制論や資金調達手法、既成市街地での合意形成論にまで議論がいたり、会場のみなさまの本気度と見識の高さ、また富山での適用性に関する非常にシビアな視線がありました。さすがは都市デザインの聖地!!我々の今後の活動方針についても色々と貴重な気づきをいただき、改めて心より感謝申し上げます。

第2回ISVセミナー@大阪を開催します!

今年2月15日に第1回ISVセミナーを東京大学で開催し、たくさんの方にご参加いただくとともに、多くの有益なご意見をいただいたところです。第2回となる今回は大阪開催!ということで関西方面の皆様とも活発な意見交換をさせていただければと思っております。関西圏の府県や市町村の行政職員およびコンサルタントの技術職員で、地方創生や景観、行政組織改革等に関心のある方をご存知でしたらぜひご紹介いただければ幸いです。第2回では、国により設けられた自治体への人材支援制度である「日本版シティマネージャー制度(正式名:地方創生人材支援制度)」および長崎市独自の制度である「長崎市景観専門監」を事例として、自治体に内部化された専門家=ISV としての活動報告とディスカッションを行います。ISV は、景観や都市デザインに限らず環境、コミュニティ・デザイン、地域プロモーション、文化政策、福祉等、人口減少時代、地域間競争時代において各自治体が進める重点政策に応用可能な新しい仕組みです。これからの時代における自治体運営の仕組みについて関心のある方の参加をお待ちしております。【日時】8 月2 日(水)19:00 - 20:30(開場18:30)【プログラム】1.趣旨説明:ISV とはなにか?(尾﨑信)2.事例報告:「日本版シティマネージャー」の取組(山本慎一郎)      :長崎市景観専門監の仕組みと成果(高尾忠志)3.フロアディスカッション【参加費】1,000 円(資料代・会場代) ※ Facebook またはe-mail より、 事前に参加申込みをお願いします!【会場】大阪新阪急ホテル関西文化サロン    (大阪市北区角田町8-47 阪急グランドビル19 階 関西文化サロン)【主催】インハウス・スーパーバイザー協会    www.facebook.com/inhouse.supervisor   https://isv.localinfo.jp【お問い合わせ】    takaotadashi@icloud.com( 高尾)    080-3545-2461( 山本)

第1回ISVセミナーを開催します!

 第1回ISV協会セミナーでは、長崎市・田上富久市長が提唱し、平成25年度から長崎市に設置されている「長崎市景観専門監」を事例として、「ISVによる改革効果:職員にやりがいのある仕事を!」をテーマに活動報告とディスカッションを行います。長崎市景観専門監は、景観・デザインをテーマとして、(1)職員の人材育成と(2)市が行う全ての公共事業の監修をミッションとしたポストです。 ISVは、景観や都市デザインに限らず環境、コミュニティ・デザイン、地域プロモーション、文化政策、福祉等、人口減少時代、地域間競争時代において各自治体が進める重点政策に応用可能な新しい仕組みです。これからの時代における自治体運営の仕組みについて関心のある方の参加をお待ちしております。【日時】2月10日(金) 19:30-21:00【会場】東京都文京区本郷7-3-1 東京大学工学部1号館1階14号講義室(東大前駅徒歩10分、根津駅徒歩15分、本郷三丁目駅徒歩15分)【費用】無料【プログラム】 1.趣旨説明:ISV とは何か?(山本慎一郎) 2.事例報告:長崎市景観専門監の仕組みと成果(高尾忠志)        :公共空間整備の体制と職能(尾﨑信) 3.フロアディスカッション:     「ISV による改革効果:自治体職員にやりがいのある仕事を!」      パネリスト:高尾・尾﨑 モデレータ:山本【スピーカー】■高尾忠志【長崎市景観専門監、九州大学准教授】地域計画家。博士(工学)。技術士(建設部門)。専門は地域計画、景観、土木デザイン。九州大学持続可能な社会のための決断科学センター准教授、長崎市景観専門監、日南市中心市街地活性化事業チーフディレクター、由布市総合まちづくりアドバイザー等を務める。2002年東京大学大学院修了後、(株)アトリエ74建築都市計画研究所、九州大学景観研究室を経て2014年より現職。市民・事業者・行政・専門家の協働による「西鉄柳川駅周辺整備」で都市景観大賞景観まちづくり活動・教育部門大賞、グッドデザイン賞等を受賞。地域住民による景観計画・景観協定の策定と運用を支援した「由布院・湯の坪街道潤いのある町並みの再生」で土木学会デザイン賞奨励賞受賞。■尾崎信【東京大学助教】博士(工学)。(株)アトリエ74建築都市計画研究所を経て、2009年より東京大学社会基盤学専攻助教(景観研究室)。■山本慎一郎【明日香村政策監(非常勤)】国土交通省から民間に転じ、2013年に一般社団法人RCF復興支援チーム(現RCF)に参画。2015年4月から、政府の地方創生人材支援制度(日本版シティマネージャー制度)により、奈良県明日香村政策監(非常勤)として週2日勤務。富山県氷見市政策アドバイザー、茨城大学社会連携センター顧問兼務。【主催】「インハウス・スーパーバイザー協会」(https://www.facebook.com/inhouse.supervisor/)【問い合わせ】takaotadashi@icloud.com(高尾) / 080-3545-2461(山本)

土木学会景観・デザイン研究発表会@高知で発表しました!

 こんにちは。長崎市景観専門監を務めます九州大学の高尾です。12/9-11に高知工科大学での土木学会景観・デザイン研究発表会に参加し、高尾・尾崎と連続して発表してきましたので、順にレポートします。 まず、高尾からは「長崎市景観専門監の仕組みと成果 ーインハウス・スーパーバイザーのモデル的取り組みー」と題して発表しました。長崎市・田上市長が考案された「景観専門監」の仕組みを、従来のガイドライン(教科書)、景観アドバイザー(先生)、職員研修(授業)といった手法を超えて、専門家が現場で一緒になって考える、いわば「家庭教師」のような存在だと紹介しました。 家庭教師は成績向上を目的としながら、学生の進路相談を受けたり、親子のコミュニケーションを潤滑にして、学生のモチベーションを高めていくことが大事な職務です。長崎市景観専門監も職員の良き相談相手となり、ときに庁内関係課や上司・部下、委託業者との関係をコーディネートして、職員がいいものづくり、やりがいのある仕事に集中できる環境をつくる役割を担い、それによって地域の景観を向上する事業成果が生まれることを目指しています。この「家庭教師」的存在を職能として確立していくことの重要性を提案しました。 尾崎さんの論文タイトルは「公共空間の戦略的・統合的デザインの実現に向けた体制と職能に関する考察」です。著名な事例を調査分析しつつ、主に「柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)」と「長崎市景観専門監」を比較しながら、前者は役所の外にある包括的なまちづくり組織として安定性が高いが、その一方で民間による大規模開発があるという文脈で成立しておりどこでもできる方法ではない、後者は役所の中にあり首長命で選ばれた個人であるため比較的低コストで行政内改革を進める効果が高いが、政治に左右されるため安定性はやや低く、また誰でもできるものでないと評価していました。 まちづくりの現場では、これらの方法のどれか一つを選択するというよりは、地域の特性やタイミングにあわせてよりよい方法となるように組み合わせたり、修正しながら仕組みをつくることになるだろうと思います。 学会の参加者からは両名の発表とも非常に反響が高く、こうした「仕組み」に関する関心の高さをあらためて実感しました。なお、高尾は優秀講演賞を受賞しました。これまで景観分野の関わりが薄かった今日的なまちづくりのテーマについて、専門家の英知がもっと貢献できるようになる「仕組み」の議論を今後も盛り上がていきたいとあらためて感じた二日間でした。インハウススーパーバイザーはその有力な方法だと確信しています。